Le Photographe

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家持よ源内よとて鰻の日/松村日出子

家持とは大伴家持(おおとものやかもち)の事。「石麻呂に吾物申す夏痩せに良しといふ物ぞ鰻漁り食せ」とか「痩す痩すも生けらばあらむをはたやはた鰻を漁ると川に流るな」という和歌を遺しているそうです。源内は、江戸時代のキテレツ発明家エレキテルで有名な平賀源内の事。...
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鬱の字に毛ほどの隙間むし暑し/安済久美子

梅雨が明けたと思ったらじとじとべとべと不快指数最大級の蒸し暑さとなる。これを溽暑と言う。年中一定温度に空調された仕事場から外に出たらカメラのレンズが結露して曇ってしまう。私も汗が噴き出してクラクラします。それで何一つ改善されはしないけれどもいろいろ文句言わ...
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門すゞみ人に来られてしまひけり/尾崎紅葉

寒い時期は、あまり部屋から出ないで電源が投入されたら当たり前のように無線機の上を占拠していたくるみですが暑くなったら家の中の涼しい場所を転々としています。特に玄関のタイルの上は、彼女のお気に入りです。でも他人(ひと)がガチャッと扉を開いたらサッと起きて二階...
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鬼百合は一本がよし山の雨/榎並貞子

オニユリの花が咲いていた。赤いオニユリは、零余子(むかご)だけで殖えるクローン植物らしいです。茎の葉の付け根にある黒豆みたいなのが零余子です。では何のために花を咲かせているのでしょうね。一本がよしとありますけど私は一輪でいいと思う。わさわさっと咲くと暑苦し...
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爆死子の墓斑猫の行きどまり/下村ひろし

斑猫(ぶちねこ)と書いてハンミョウと読みます。どこにでもいて足もとをチョコマカチョコマカ飛んでいてどんな虫なのか確かめようと接近するとけっこう敏感に察知されて逃げられます。でもそれはちょっとだけ先に飛んでいるだけです。また近寄ると、またちょこっと先まで飛ん...
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白南風にかざしてまろし少女の掌/楠本憲吉

白南風(しろはえ)とは、「(九州地方などで)梅雨明けの頃に吹く南風。また。8月頃の昼間に吹く南風。しろはえ。」と広辞苑には記載されている。鬱陶しい梅雨の雲を吹き飛ばすような南風ということらしい。気象庁のWeb情報によると九州北部の梅雨明けは、平年7月19日...