Le Photographe

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夏さむしここより奥に山の霊/宇多喜代子

まだ暑い日が少ないものだからまだ春気分の人が多いみたいだけれども今は初夏。4月下旬くらいから夏の服装で通勤しているけれども日が沈んでしまったらそれを後悔する日がまだ多い。今年の夏は暑くなるという予報らしいけれども本当のところはどうなるのだろう。個人的には、...
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ゆきのしたかさりこそりとはなさかり/菊池麻風

今くらいの時期に咲く好きな花の一つがこのユキノシタ。名前の由来には諸説あるようだが私は「雪の舌」説を支持する。漢字もいろいろあるけれども鴨足草とか虎耳草とかある。ならば猫耳草でもいいのではないかと思うのだけれどどうでしょう。群生している様は「雪の下」でもい...
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朱欒咲く五月となれば日の光り/杉田久女

職場周辺の畑では、今柑橘類の花が咲いていて周辺にはいい香りがほのかに漂っている。キンモクセイとかハゴロモジャスミンみたな強い芳香ではなく落ち着く香りで私はこちらを好む。平安貴族は、この花を袂に入れていたそうな。以前は中年女性に強烈な香水の匂いが目立っていた...
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宙でまた会えばや虻の俯かむ/永田耕衣

アブもハエも羽根が2枚でよく似ていて違いが明確ではないけれどもなんとなく顔つきで判断です。吸血するのが多いのがアブかな?そんなアブの仲間のムシヒキアブは、プレデターです。吸血どころか他の虫を捕食する肉食昆虫。以前その捕獲現場を観たことがあるのですが、ヤツは...
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一日物云はず蝶の影さす/尾崎放哉

尾崎放哉と種田山頭火どちらも自由律俳句を詠んだ放浪の俳人。両者とも凡人には理解しかねる生涯を終えた人のように思える。放哉の句には、描写対象が自身であることが多くしかも動かずじっとしていることが多い。山頭火の句は、旅の途中の自身を囲む風景描写が多い。というこ...
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うすうすと色を重ねて山笑ふ/稲畑汀子

様々な木々の若葉が萌え始めたばかりの山肌は、もこもこ膨らんでいるいるように見えてしかも距離が縮まっているように感じる。木の種類によってその若葉の色が違うので斑(まだら)模様になっている。こんなにいろいろな種類の木があったことにも気付かされる。空の色といい、...