夢二ファンというわけではありませんけどまとまった作品群など読んだことがなかったので買ってみました。この文庫は主に大正から昭和初期(ばあちゃんたちの少女時代ではないか)に発行されていた少女雑誌や婦人雑誌に掲載された作品で編纂されています。当時そんな本を購読できたのはハイソな家庭の婦女子だったと思うけれどもモダンな絵と柔らかい言葉で綴られた詩に大いに刺激されていたことでしょう。詩というよりポエムな世界ですね。
時代的には、北原白秋とか萩原朔太郎が活躍していたと思うけれども夢二の作品は絵まであってソフトで判りやすい作品だと思います。それらは雑誌媒体で日本中に伝播され親しまれていたと思います。なので当時の婦女子は憧れ想像を膨らませ夢をみたりして模倣していたのではないでしょうか。21世紀になっても夢二の作品は色褪せを感じません。日本の詩画の原点ではないでしようか。
さすがにこれは、時代を感じる作品です。中原中也が言うところの茶色い時代まっただ中の作品です。つまり第一次世界大戦中の作品なのでこのような表現となったのでしょう。でも悲壮感がありませんね。
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