俳句歳時記で冬の季語「すばる」の説明文中に清少納言のお嬢さんが書いたとされている枕草子の第二五四段に「星は すばる。ひこぼし。ふゆづつ。よばひ星、すこしをかし。尾だになからばましかば、まいて。」とあると書いてあった。しかも「すこしをかし」ですと。わたくしのこころすでに「よばひ星」いとをかし。
本文にはなんも関係しない、うちの女王様です。
そうゆうわけで日本国語大辞典など開いて調べてみました。
よばいは、もともと「婚」を当てていたらしいけれども後から「夜這い」になったそうな。「婚」の方は、枕草子が書かれた時代の習慣で男性が夜な夜な女性の家に通うことを指している。字が違っていてもやっていることは「夜這い」と大差ないように思う。というより「夜這い」の方が判りやすい。「夜這い」と書けばなんだか罪悪感とスリルが伴うような気がしないでもないですけどね。源氏物語では、そんなこんなのうらまやしい「よばひ」の話でいっぱいですよ。
そゆことて枕草子二五四段を現代風に言えば、「星といえば、まず、すばる。彦星や宵の明星(金星)かしら。よばい星なんかちょっとおもろしろいと思うの。でも尾なんかひかなければいいと思うのだけれど。」みたいな感じでしょうか。ということで件のよばひ星は、流星のことらしいんです。夜に動くからよばひ星ということのようです。昔の人は、なかなか面白い表現をしたものですね。なぜ尾をひかない方がいいかと言えば、尾なんかひいていたら「よばひ」していることがバレバレぢゃんということのようです。これは暗に「よばひに来る時は他人にわからないようにこっそり来てね。」ということでしょうか。清少納言のお嬢さん。
ちなみに「よばい星」は、秋の季語です。
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